マシンワークスファンタジー 専門用語などの備忘録 #6〜#10

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マシンワークスファンタジー 専門用語などの備忘録 #6〜#10

  またいつものように、第六話から第十話までに使われた専門用語の類や設定を書いていきたいと思います。忘れっぽいんで。 【麦の穂の国】 特別学区の遥か南に位置する農業が盛んな国。広大な穀倉地帯を背景に工業などにも力を入れている新興国だが、軍事兵器の技術レベルは思いのほか高くはない。  使用するTA等の軍事兵器は一線級とは程遠い品揃えで、あくまでも数で勝負というスタンス。領地内に唯一の海上軍事要塞・ウツボの根城を所有している。 【ベイルポーン】 グリルポーンの後継機。かつて戦場の花形TAだったグリルポーンだったが、複雑になった作戦の多様化とグローバル化する時代の波に抗いきれず、次期主力機としてサー・トーマス・ベイル博士によって開発された。  特徴としては、ポーン級のTAにしては大きな機体で、高出力エンジンを搭載し重厚な装甲に豊富な重火器が装備できる点だが、逆を言ってしまうと……鈍重で鈍足である事。使える所と言えば、基地などの拠点防衛くらいで、局地戦以外に使い勝手が無いのが現状。もう一歩で、退役を余儀なくされる可能性が拭えない前時代の逸品だが潜在的なポテンシャルは高い。 【アクトポーン】 麦の穂の国の意地と技術で作り上げた次世代を担うであろうポーン級の試作TA。  特徴としては、従来のレシプロエンジンを排し、独自に開発した高出力の小型ガスタービンエンジンを搭載している点で、加速性能と機動力は折り紙付き。装甲も従来のベイルポーンに比べて三割削減し、高速運用を可能にした。  標準的なTAに比べて小型に設計されている為コクピットはかなり狭い。しかも、操縦機構が車に近くクセが強くて操縦者を選んでしまう為、一部の熟練パイロット達からは敬遠されているらしい。   【ウツボの根城】 特別学区の遥か南に、麦の穂の国と呼ばれる小さな国が隣接しており、その領地の海辺の地域にある防衛拠点と街の俗称。元々遠浅の海であるリアス式の海岸線を防衛しやすいように人工的に改修。天然の要塞の佇まいも持つ。  この街は、麦の穂の国にとっては国の命綱を握る重要拠点であり唯一の海上拠点。海岸沿いや小高い土地には野砲や塹壕を備え、港には軍隊のものと思われる巨大な鉄の舟が我が物顔で鎮座している前線基地。  石造りの建物がならぶ街並の中に、街のあちこちに掲げられている旗には、大きく麦の穂の紋章が誇らしく描かれ、街の灯りは外灯のみが寂しく照らす軍事都市の色合いが強い街。街の中央には、ちょっとした宮殿を思わせる立派な門扉を持つ建物が、麦の穂の国の軍司令部として使われている。 【マホガニー大佐】 この軍隊の最高司令官。麦の穂の国の王族の親族として生を受け、幼い頃から将来国を支えるエリートとして英才教育を施されたが、実情は……王の親族というだけで特別扱いされた上級市民で、その正体はワガママ放題に育ったいい歳こいた只のボンボン。自身の家柄をいい事に改竄贔屓は当たり前、自身の保身や欲望の為にはどんな汚い手段をも躊躇せずに行使出来る絵に書いたような典型的な駄目貴族。  類まれに見る見栄っ張りで女好き。その上博打好きな性分で、ついこの間贔屓にしている女を囲い込むという目的を満たす為に、貴重な国庫を使い込んだ事もあり、国内にも敵は多い。  何だかんだで、現在は軍事基地に幽閉同然に栄転という名の左遷をさせられている。 【黒ベル】 リリーベルにそっくりな容姿を持つ謎の人物。その正体は……黒ずくめの男が、特殊な呪術を用いて変身した姿。 ただ、リリーベルの筋肉質な体型が納得いかなかったようで、髪と胸をより女性らしく後でテコ入れをしている。  元々は、とある機関で改造された食虫植物の遺伝子を持つ戦術兵器。本来、自分の意志を持つことは無い筈なのだが、いろんな偶然が積み重なって自分のエゴを持ってしまっている。  黒ベルに変身する頃には使用期間とされる寿命が尽きかけていた為、体の一部が風化しかかっていたが、錬成銀の短剣の力を取り込んだせいで岩の巨人と同化し消滅の危機を脱した。その代わりに錬成銀の短剣の呪いに振り回され、最期は命を落とす羽目になる。ある意味、強過ぎる力に振り回された被害者。 【カンナベル】 リリーベルの姉。実家の家業を手伝う魔法使いで、主に魔法の道具の運搬と、不要になった魔法の道具の買い取りと回収を主な業務として近隣の街から街を飛び回っている営業に生きるキャリアウーマン。地元では、妹のリリーベルと姉のローゼンベルとで三人を『鈴鳴りの三姉妹』と呼ばれ、集落を代表する美人姉妹の代名詞として通っている。  噂話の類が大好きで、根も葉もないよもやま話を悪意無く勝手に拡散するタチの悪さがたまにキズ。集落を代表するトラブルメーカーでもある。 【ローゼンベル】 リリーベルの姉で『鈴なりの三姉妹』の長女。  普段は集落で、家業の雑貨屋の会計を担当している。口数少ない美人さんだが、過去の事件以降、身内以外の人間に対して消極的な態度を取るようになる。   【イーデルアイギス】 リリーベルのはとこで集落の有力者のご息女。集落を代表するエリートとして育てられてきたせいか、一般常識に若干の難がある。  リリーベルに比べて、魔法の類が得意で、特に状態異常を引き起こす魔法は、魔法技術科の中でも一目を置かれている。だが、コモンの人間と運動は死ぬ程苦手。 【緑と青の畔】 特別学区から百キロ程北上した森林地帯にあるニトラアインの集落。人々の行き交う交通ルートから大きく離れ、完全に下界から孤立した感が伺える。  この森は、鬱蒼とした樹木があちこちに張り巡らされており、一種の巨大な迷路のように複雑に入り組んでいる。  樹木のドームで覆われた湖畔の傍らにあるこの集落では、バンガローやログハウス等があちこちに点在し、パッと見……森の中の小さなキャンプ場の様な佇まいにも見える。 【エーテル被曝症】 魔法の使えない一般人が、エーテルを過剰に浴びてしまう事によって引き起こす現象。  コモンやアーバンフット等の魔力を有しない人間達にとっては命に別状は無いものの、時々この症状がキッカケで魔力を宿す事が稀にあるとか無いとか。その際に……魔力に振り回されて、一般人の住む世界に戻れなくなったり、最悪、気が触れて命を落とす事があるらしい。 【白の斎場】 ニトラアインの集落の奥にある、石で積み上げられた遺跡群。  集落に住むニトラアイン達の修行の場にもなっており、祭事的な行事以外にも、新しく覚えた魔法を試したり、戦闘技術の習得等にしばしば使われる。 【グリーンガーデンの不可侵協定】 近隣の荘園諸国間で締結された平和協定。  誤った価値観に触発された軍人や、薄っぺらい功名心を刺激された若い貴族達の迂闊な軍事進行を禁止させる為に制定された紳士同盟の様なもの。  原則、特別学区は『国』ではなく『自治区』の為、領地は所有しているものの防衛以外での自発的な武装・他国に対しての侵略等を目的とした攻撃は、近隣の荘園諸国で構成されている領主連盟の協定により認められていない。  因みに……この侵略行為の禁止は、他の荘園諸国にも適用されている為、もし発見されれば……世間からの糾弾の的となり、最悪、その国の政治不信を招き……革命などで国が崩壊する負のドミノ連鎖が起こる危険性がある。下々の為でもあり、お上の立場を守る為の協定でもある。 【サビー】 かつてリリーベルの実家で飼っていた今は亡きサビ猫。ぶっきらぼうな口のきき方と、いつも眠そうな目をしているのが特徴のお婆ちゃん猫。実はチャ・ガ。  リリーベル出生の際に発生した魔力の暴走を止める為に、仕方なくリリーベルの魔力のみ封印し母子の命を救った経緯がある。その為、物心ついた頃よりリリーベルは魔法が使えない憂き目に合っており、今でもちょっとした苦手意識がある。  因みに、リリーベルの魔力を封印したのはサビーだけではなく数人がかりだった為、封印の紋様がかなり複雑になっている。  ニケとは違い、語尾に「ニャ」がつかないのは、物心が付いた頃に人に飼われていたか否か。野良の期間が長かったサビーは、人間に甘える事が無かった為にこうなったんだとか。コレを考えると……ニケって相当な甘えん坊と言う事になる。 【アグネリアン】 麦の穂の国に所属する軍人。一歩兵から叩き上げで中尉にまで成り上がった腕を持つ実力者だが、この為に貴族などの上級市民達から目を付けられている。出生等プライベートな部分に謎が多い。 【スピカ】 リリーベルが生まれる前に集落を追放された父親違いの兄。コモンとニトラアインとの間に生まれたいわゆる『鬼子』な為、集落の住民達からは疎まれている。  集落を追放されて以降、行方不明になっている。 【祝災の紋】 スピカの左腕に刻み込まれた入れ墨のような紋。  この紋を持つ者は、将来集落を背負って立つ人間と言う事を証明するモノであるが、試練とセットになっている厄介なモノでもある。  この紋章は、突然試練を与えるべく容赦無く牙を剥く時があり、場合によっては、その時偶々周りにいた何の罪もない人々が、どれだけの血を代償として支払わなければならないのか皆目検討もつかない事になる事もあるとか無いとか。  元々ニトラアインの人々の間で、魔除けや願掛けの意味で入れ墨を入れる習慣があるが、この祝災の紋は生まれもって入っている事が殆ど。  持ち主にとって唯一の利点は、ちょっとやそっとの事で死なない事ではあるが、逆を言えば、簡単にドロップアウトを認めないと言う事の証左でもある。ある意味ありがた迷惑なモノ。 【黒ずくめの老人】 過去の世界でリリーベル達のいる集落を襲った人物。その正体は……若かりし頃の黒ずくめの男。  飽くなき力の探求者で、自身が取り込んだ人や物に変身できる能力を持っていたが、スピカとの戦闘の際に頭部を負傷して以来この能力は消失してしまう。 【アルナス】 リリーベルの実父。普段は魔法の小道具を扱う行商をしているが、集落随一の弓の名手でもある。嫁さんと娘を溺愛する良きパパ。 【治療棟】 商業施設から少し離れた雑木林のすぐ近くに、概ね十階程の高さを誇る円型の塔のような建物で、特別学区内の病院の様な医療施設。  この施設は、学区内の生徒だけではなく、商業施設内で生活する人々や近隣の集落の住人まで幅広く利用する為、内科や外科だけに留まらず、魔法を使った治療を行う特殊療養科まであり、この辺りの独立した施設としては、かなり充実した設備を誇っている。 【テラー】 リリーベル達魔法技術科の教師にして、治療棟に務める魔法医。  ニトラアインの様な華奢な出で立ちに長い耳。健康的な浅黒い肌を持つデ・パソルと呼ばれる見目麗しい女医だが、妄想癖があるのが玉にキズ。コチラはカンナベルとは違い、同じ噂話好きでもよそに拡散しない為、比較的人畜無害ではある。 【緑の巨人】 黒ベルが錬成銀の短剣の力を使って変身した姿。  元々、岩の巨人の力と錬成銀の短剣の力を渇望した為に錬成銀の短剣により合体させられた。欲望の成れの果て。  物理攻撃には絶対的な防御力を誇るが、黒ベルが植物由来の怪物である為に火に弱い。この部分を逆手に取られて、最期はマシンワークスの連中に敗北をした。 【追記・特別学区】 まず、外部から特別学区に入るには、正門をくぐって商業施設のある商業地域に入る必要がある。  この商業地域を奥に進んでゆくと……工業地域と農業地域に続く『工業の門』『農業の門』があり、門をくぐるとそれぞれの地域に行ける。  魔法技術科のある鎮守の森方面には、工業・農業地域の一番奥になるので、正門から見ると一番奥に位置する事になる。  因みに……工業地域と農業地域をお互いに行き来するには、地域の境目に大きな橋があり渡れば行き来出来る。  ……と、言う事でここら辺りで一旦終了とさせていただきます。  また何か思いついたら書いていきたいと思います。 (備忘録#6〜10及び、マシンワークスファンタジー#1・完)
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