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公園で私はうずくまっていた。真っ暗な空間は私の吐いた白い吐息を消していく。
でも今はその静けさと冷たさが熱くなった顔を冷やすには丁度良かった。
私はまた、白い息とともに言葉を絞り出す。
「何やってるんだろう私は」
さっきまでは気分転換のために鼻歌を歌ってはいたが、今は悴んでしまって鼻歌もまともに歌えなかった。
今となっては、嘘かホントかはどうでもよかった。問題を何度も考え続けた。まぁ、答えはまだ見つからないわけだけど。
ただ いつまでも待ち続ける今の状況の私は哀れだった。
私が仕事に明け暮れているうちに、なぜか彼の隣に立つ主導権は“他の人”に握られてしまったわけだ。
彼は私の幼馴染。高校時代からの付き合いで今の今までの長い付き合いだった私達は、気心も知れていて自分的にはベストパートナーだと思っていた。
そうあの頃はただ純粋に互いを想い会うことができた。
結局、高校時代にあったテストと違って、人生に問題に対する答えは無くって、私にこの答えをうまく導き出す事は出来なかっただけ、
私はいつもの通り同居している家へと帰る時に見てしまった最愛の人の裏切り。
好きだとかそんな取り繕った言葉で私を引き止めていたものの、彼は今この場にいない。
全て嘘だった事は明白だった。結局私を騙せると思って言ったセリフでしょ?
そう、この状況を白黒つけるには丁度いい、“滅びの呪文”を私は言っただけ。
あたりがだんだん明るくなって来た。
顔を上げれば真っ白な太陽がブランコの隙間から私を照らした。
あぁ 世界は広い。人生は長い。
この白い景色を見て私はそう思った。
終わり
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