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この曲は・・・聞き覚えがあるこの曲は・・・。
「へへへっ・・・本当は戦いのイメージの曲が1個だけあったんだ・・・」
ユキの体全体が禍々しい漆黒の鎧で包まれていく。手に現れた巨剣は・・・まるでドラゴンでも殺すためだけにあるような・・・とても人が扱えるものではない。
「ユキ!辞めてくれそれだけは・・・・」
この勇壮な曲は・・・黒い剣士が黒い使途と戦うときの・・ボス戦の曲じゃあないのか・・・。
「うん・・・たぶんこれをやっちゃうと・・タダでは済まないんだ・・そう思い込んでしまってるからね・・。でもこれを使わないと勝てないから・・これまでみんなに守ってもらって辛かったんだ・・・もう残されるのは私も嫌だったの・・・ごめんね・・・」
全てが実体化するとユキの姿は鎧の中に消えてしまった。
「じゃあちゃんと倒してくるからね。いってくる!」
「ユキ!」
まるで一本の黒い矢のように、一瞬でドラゴンに迫る。
ガキン!
鈍い音が響き渡る。巨剣の一撃がドラゴンの首にくいこんだ。
ガン!ガン!ガン!
剣をひたすら首に叩きつける。剣技もなにもあったもんじゃない。ただ力の限り叩きつけているだけだ。ドラゴンも何事か!と覚醒するとしっぽの一撃で反撃した。
ドガン!
吹き飛ばされたユキは柱に埋まる・・・。それでも立ち上がるが腕や足は歪に折れ曲がっている・・・それすらも鎧の力で強引に元の位置に戻されて再び矢のようなスピードでドラゴンに立ち向かう。
「やめてくれ・・・もうこれ以上・・・ユキを壊さないでくれ・・・直さないでくれ・・・」
誰か・・俺を代わりに壊してくれ・・・。
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