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   何度も叩いては吹き飛ばされる。その繰り返しだった。ひどい怪我も強引に修復されていく。巨剣を支えきれず折れる腕も瞬時に戻る。千切れる手足が修繕される。  4分ほどのときが流れ・・・。  グウォォォォオォォォォォォ!  ドラゴンの断末魔が響き渡る。ドラゴンの血と臓物にまみれて黒い剣士は佇んでいる。  「ユキ・・・」  急いで駆け寄る。  「・・・・・・・・」  「ユキ・・・」  「・・・・・ごめんね・・・」  震える手を鎧に差し向けると・・・。  ボトッ・・・。  ユキの腕が落ちる・・・。  「あああぁぁぁぁぁぁぁ」  急いで腕を直そうとすると今度は逆の腕が落ちる。それを皮切りに雪崩のように体が崩壊していく・・・・。  「あっああああああ」  もう元には戻らない。体を掻き分けて・・・満ち足りた表情の・・・ユキの頭を抱きしめる。  「うあぁぁぁぁぁぁぁ」  慟哭。  そして・・・。  
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