夢幻泡影

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   わいわい・・がやがや・・・。  「んっ?ここは・・・」  起きると机に座っていた。ここは見慣れた教室だった。どうやら少し眠っていたらしい。  背伸びをしてから顔を触る。目から涙が出ていたみたいだ。なにかひどく悲しい夢を見ていたような・・・。でもどうやら大丈夫みたいだ。この空間に心が安堵している。  「映画はやっぱりスピルバーグやな。ジェームズキャメロンもなかなか・・・・」  トウジの声も聞こえる。相変わらず映画の話ばかりしている。今日も平和だ。なぜか無性に幸せな気持ちだった。  「じゃあ私が一番!」  でかい声で宣言するとミアが教室から出て行く。相変わらず騒がしいやつ。  「じゃあ俺も・・・」  「ヒカリ!一緒に行こっ!皆も本当にごめんって!」  「本当に勘弁してくれよ・・・」  「あーあもう・・・」  ぞろぞろと何人かが出て行く。次は移動教室だったっけか。  「急に来るからな・・・先に言ってよってな・・」  「うん。参ったねあれは・・・」  また3人ほど出て行く。  僕はイスから立ち上がろうとするけど・・・・。  「やっぱり俺の華麗な技が光ってたよな!」  「うるせぇよ。サルにしか見えなかったっての。早く行けよ後ろがつっかえてんだよ。俺のが最高にクールに決まってる・・・」  タケシとケンヤが教室から出て行った。  みんな・・・・・。
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