127人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺の番やね」
「待て!トウジ・・・待ってくれ。何かイスから動けないんだ・・・だから!・・・」
「大丈夫や。前にも言うたけど俺たちは少し先に行ってるだけやから・・・後からゆっくり来たらええ。それに俺たちはいつだって側にいるんやで・・・・・せっかくみんなで繋いだんやから根性見せろよ!じゃあな!」
「待って・・・・」
トウジは元気よく教室から出て行った。
「・・・・・・・・」
あれだけ騒がしかった教室が瞬く間に静かになり、教室にはユキが残っていた。
「私の番になっちゃったね・・・・」
「ユキ・・・・お前も行くのか?」
「うん・・・もう行かないといけないんだ・・・最後にお別れを言おうと思ったんだけど・・・何を言ったらいいのかわからなくいなっちゃった・・・」
「ユキ・・・俺も一緒に連れてってくれ・・・・みんなのところに行きたいんだ!」
「ごめんね・・・それは出来ないんだ・・・・サーちゃんには3年A組の代表として生きて欲しいって・・・みんなで決めたんだ・・・」
「待ってくれ・・・・置いていかないでくれ・・・」
「大丈夫だよ・・・みんなちゃんと側にいるから・・・・みんなの分まで長生きしてね!」
「ユキ!行くな・・・」
ユキはバイバイと手を振ると教室から出て行った。
一人残された教室で泣いた。教室が歪んで崩れ落ち、意識は闇の中に消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!