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目が覚めると天井がみえた。どこかの家かテントか・・・・どうやらまだ生きているみたいだ。
「・・・・・あ・・・」
「気がついたか?」
そこにいたのはターバンを巻いた老人だった。手にはキセルのようなものを持っている。
「・・・・・・・・」
「おまえは砂漠の真ん中で倒れていたんだ。生きているは奇跡じゃな」
「・・・・・・・」
「ほら・・コレを食え」
食器を置かれる。腹は空いているが食べる気になれなかった。僕には生きる気力がすっかり無くなっていた。
「食わんのか・・・みんながっかりするぞ・・・」
!?
何だって・・・・。
「お前の後ろには仲間が大勢いるぞ。お前を見つけられたのもそいつらが騒いでいたからだ・・・」
「うっ・・・うっ・・・」
みんなはまだ僕を守ろうとしてくれているのか・・・・。俺はまだ生きないといけないか・・・。
目の前にあるスープを食べる。
「があっ・・・ごほっ・・・ごほっ・・」
急に食べたから。胃が受け付けない・・・。それでも食べる。吐く。食べる。突っ込む。泣きながら食べる。みんなの分も食ってやる。
「慌てずゆっくり食え・・・」
うっ・・・うまい・・・うまいよ・・・。
「うっ・・うあぁぁぁぁぁぁ」
とても悲しい・・・それでも生きようと思う。いつかあそこに戻って遺品を・・・みんなを連れて帰る。
そう心の中で誓ったのだ。
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