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― 砂漠エリアの首都タクマクラ ―
コウザ離宮の執務室。
「殿下・・・失礼いたします」
「何だ」
「実は・・・オアシスエリアで面白い噂を耳にしまして・・・」
「どんな噂だ?」
「なんでも砂漠の真ん中で人を拾ったとか・・・その男はどうやらヘルハンフールから脱出してきたのではないかと・・・・」
「何だと!呪われた墓所ヘルハンフールか?それはありえんだろう・・・。何百年も前に失われている伝承の地ではないか!大方勘違いではないのか?」
「その男が偶然ポケットに持っていたのがこれらしいのです・・・」
「これは!白光石・・・しかも純度が恐ろしく高い・・・・このようなものは王家の宝物庫でしかみたことがないぞ!」
「左様でございます。さればこそ、その噂まんざら嘘でもないように思えますな」
「・・・・・・・はっはっはっははははっは面白いではないか。このような辺境の地に飛ばされはしたが運が向いてくきたな・・・・お前は情報を集めろ。奴等も召集するんだ。本国の兄上には気取られるなよ」
「心得ております」
「行け!動くとなれば時間があまりないぞ」
「はっ・・・」
男が退室した。
「ヘルハンフールか・・・・墓所から処刑場へと転用されていたと聞く。伝承が確かならあまねく財宝が葬られたとか。それを手に入れれば王座も夢ではないか・・・・・」
第2部へ続くかも。
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