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「ここで終わりだって・・・」
「マジか・・」
「魔方陣ってことは場合によっちゃあ結構ヤバイんじゃない?」
先頭集団では早くも物議が醸し出されている。どうやらこの遺跡はここで終点みたいだ。途中では何もなかったから、もしかして中継点的な施設なのかもしれない。
後続が合流したところで委員長が切り出した。
「みんな魔方陣があるけどどうする?」
民主主義的な呼びかけだな。
「コレってたぶんどこかに転移されるタイプのやつだよな」
「ヤバイところに連れて行かれたらどうすんのよ」
「でもお宝部屋に飛んだ連中の話も聞くぜ。何も無いこともあるらしいし結局五分五分なんだよ」
「もう帰ろうよ。危ないのは嫌だから・・」
「はぁ?何言ってんの?まだ何もやってないじゃない。ここで帰ってどうすんのよ。ウチらお金も余裕ないんだよ!大体まとまったお金を手に入れて解散しようって話し合ったでしょ!」
そうだ。ここに来て1年。いい加減に集団生活を止めて小グループごとに活動しようと言う話になっていたのだ。やはり30人が生活するには色々齟齬が生じてくる。最初は四の五の言ってられなかったが今慣れてきたのか不満があちこちで爆発している。解散のための資金を僕たちは欲していたのだ。
「万が一ヤバくてもサトシの能力があるじゃん。脱出できれば問題ないでしょ。お宝見つけて金持ちになったほうがいいって」
この発言で流れは傾いたのか皆静かに考えている。脱出出来るならあるいは・・・と。正直自分が全ての鍵を握っているのが心配でならない。
「よし。じゃあ行きたい人!」
ばらばらと手を上げている。7割ほどだろうか過半数を占めていた。
「じゃあ行くから。みんあで行くぞ」
戦闘能力を有している者はやはり行くを選択している。戦闘能力がない者は残ることも出来ず結局行くしかない。
全員魔方陣に入ると勝手に発動していく。光に包まれる中次に見るのはお宝か果たして・・・・。
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