第1章-招集-

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「ん、うーん」 朝起きる時のように背伸びをしながら、朦朧とする意識の中で、ここが自分の部屋ではないことに気づく。 「あ、あれ?ここはどこだ?たしか俺は身体測定やって、それで…」 回ってない頭で、できる限りのことを思い出していた。 (たしか、だいぶん回っていって…それから…なんだっけ?) 記憶があやふやなことに戸惑いながらあることを思い出した。 (あぁ、そうか…俺採血した後だったからそのまま貧血で気を失ってたんだ…すげぇ恥ずかしい…) そんなことを思いながら周辺を見渡した。 そこは、どこかの空き教室で少し広めだった。おそらく特別教室かなにかなのだろう。 そして、俺以外にも倒れてる5人の生徒が… (あぁ、こいつらも同じく気失ったのか…) そんなことを考えていた。 倒れていたのは、黒いロングの髪で眼鏡した大人しそうな女子生徒。 茶髪できっちりとした髪型で、いかにも王子様という言葉が似合うイケメン。 髪が肩くらいまである小さい女の子。ん?この子も高校生か? ショートヘアーでいかにも気の強そうな女の子。寝顔はかわいい。 そして、身長の高い、スポーツ刈りの男子生徒。いかにもスポーツしてますといった感じ。 そして、俺はあることに気づく。俺はいつの間にか制服に着替えているのだ。 運んでくれた人がご丁寧に制服に着替えさせてくれたのだろうか… なんか、嫌だな… そんなことを考えていると、倒れていた他の5人も同時に目を覚まして行く。 「あれ?ここはどこだよ。」 ショートヘアー女子が辺りを見回す。 「僕は一体…こんなところで寝てるなんて…」 そう言うのはイケメン男子。 「あれ?もう朝?」 小さい女子が目をこすりながら目を覚ます。 「あー、よく寝た。」 あくびをしながら起きたのはスポーツ刈り男子 「ここはどこでしょう…」 大人しそうな女子が呟く。 みんな同じく状況がよくわかっていないようだ。 それにしても、ここにいるやつらみんな見覚えがない… そりゃあ、昨日入学したばかりなんだからとは思うが、それにしたって一人くらい見覚えあるんじゃないか?とは思った。 が、まぁ1学年300人はいるんだから無理はないとも言える。 そんなことを考えてると、コンコンとドアをノックする音が聞こえる。 そして、空き教室のドアはガラガラという音を立てながら開いていった。
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