第0章-始動-

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「えー、というわけで、今年はバランサー制度が導入されます。導入にあたっては…」 3月末の職員室ではバランサー制度適用の報告とその注意事項が校長によって説明されていた 生徒は春休みということもあり、校内には生徒はおらず、ただ校長の説明が職員室に響いていた 「あのー、バランサー制度ってなんなんですか?」 新人教師の若本始は、教育係となった先輩教師である道永教諭に小声で質問した 「それはあとでわかるから、今は校長の話を聞いておけ」 道永教諭は、右も左もわからない新人教師を冷たくあしらった (なにをすればいいのかよくわからないけど、まぁ毎年以上に頑張れよってことなのかな?) そんな呑気なことを考えていると、不意に名前を呼ばれた 「若本君!若本君!聞いているのかね?早く前に来なさい!」 「は、はい!」 なにがなんやらわからず、渋々校長の元に向かう新人教師 周りの教員たちから、いいなという声や羨ましいといった声がある 「というわけで、バランサー制度に則って、今年の新人教師である若本始教諭にはバランサー補助教員として、今年から3年間頑張ってもらう」 校長は笑みを浮かべながらそう言った 「え、えぇー(だから、バランサー制度ってなんだよ)」 困惑したまま、新人教師の3年間が始まる。
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