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「お前はクラス分けっていうのはどうやってやってるか知ってるか?」
「知ってますよ、大学で習いましたから」
あっそうといった感じで道永教諭は机に頬杖をつく。
「お前の知っての通り、クラス分けはあみだくじで決めるんだ」
「え、えー!そうなんですか?やっぱり学校によるんですかね?」
あまりにも真面目な新人教師の返しに、笑う先輩教師。
「いやいや、嘘だよ…まぁ、世間的にも知られてるが、生徒たちのデータを見てながら数日かけて教員たちが話しながら決めるんだよ」
からかわれてた若本は、は、はぁとしか言えなかった。
「実はさ、この学校ではそれをスーパーコンピューターでクラス分けしてるんだよ」
先程からかわれた新人教師は、あー、はいはいといった顔で説明を聞く。
「これは本当なんだが、まぁいい…それでそのスーパーコンピューターを導入したことであることがわかった」
「なんですか?」
「学校平均だよ」
「学校平均ですか?」
「そう。スーパーコンピューターってのはその年に入学する生徒の成績とかを入れて、演算処理でクラス分けして行くんだが、スーパーコンピューターでやる以上、結果には数値として出てくる」
「まぁ、コンピューターですから、数値にしないと演算処理できないでしょうね」
「その数値でクラス分け以外に、その学校平均がわかるようになったんだ」
「な、なるほど」
話半分に聞いてた新人教師は嘘ではないと気づく。
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