第1章-招集-

2/5
前へ
/11ページ
次へ
「それでは、1年B組の初日を終了します。では、明日は身体測定なので体操服を忘れないように!明後日は入学後最初の実力テストなので、成績には関係しませんがしっかり勉強しておくように!」 そう言って、松本先生は教室を後にした。 「カケ、一緒に帰ろうぜ!」 そう言ってきたのは、俺の子どもの頃からの友達の相馬充(そうま みつる)だった。 お前友達いたのかよと思うやつがいると思うが、あながち間違いではない。なぜなら俺は友達が少ない。 ちなみに、カケというのは俺のあだ名である。 「で、今日はなんのゲームをやるんだ?」 「そうだな…せっかく高校生になったんだから、街をぶらつこうぜ!」 そう言って、高校生最初の放課後は我が親友と寄り道しながら帰ることになった。 「それにしても、カケと同じクラスになるとは思わなかったわ。そもそも、二人とも合格できるとも思ってなかったし」 「国立ってこともあって県外からも来るようなとこだしな。卒業した生徒はみな成績が伸びたって聞くし、イジメとかもないって聞くしな。その他いろいろいい評判ばかり聞くし、みんなそりゃあ受けるわな。」 「カケもそれ目当てで受けたのか?」 「ミツ、お前は俺の友達何年やってんだよ。俺は受験勉強しなくてもいいという俺のためにあるようなとこを受けただけだ。」 「まぁ、お前だったらそう言うと思ったよ。てか、受験勉強しなくていいんじゃなくて、受験がないの間違いだからな。中学の時も受験勉強せずに、俺の家でずっとゲームやってたもんな。俺が横で受験勉強してるというのに。」 「だって、お前の家に行けばゲームやりたい放題、ジュースやお菓子も出てくる、最高じゃないか。うちにいても、親から勉強しろってうるさいし。」 相馬はこいつは…という顔をした。 「うちは別に満喫じゃないんだからな。今度お前んちにも行かせろよ」 「無理!」 そう言っていつも変わらない相馬との会話を楽しんでいた。 なんでここの高校に行こうと思ったのか、それはもう一つ理由がある。 それはこいつがいるから… とかではなく、ただ単に家が近いから。 朝ギリギリまで寝れるのは最高だ。 まぁ、でも数少ない友達がいるのはなんだかんだ言って心強い。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加