1「カードマン公式大会決勝」

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 意外に見落とされがちなのがカードモンスのステータスの合計値。『カブトブレード』『ルカニダェードラゴン』どちらもステータスの合計値が12000に設定されている。この数値より多いカードは不正であり反則負けになる。他社のカードゲームにありがちだったパワーカードの登場を防ぐためのルールである。『ルカニダェードラゴン』のステータスに0が多いのは、数値分を攻撃力やHPなどに割り振るためである。最初から後攻で良いと考えるならスピードに数値は要らない。魔法を使わないならマジックの数値も0で良いということだ。ただし、パワーやマジックのゼロ裁定は魔法カードや物理攻撃カードその物が使えなくなるデメリットがある。  稔久の先制ではあるが、通常のカードゲームと違い、先攻後攻でプレイヤーの行動が完全に分かれているわけではない。  『カードマン』は加速していく。  最初は通常のカードゲームと同じく一枚ずつしかドロー出来ない。また、一ターンに一枚ずつしかカードをプレイすることが出来ない。他のカードゲームのように、カードの特殊能力や魔法やアイテムのコンボでデッキをガンガン回していくことが難しい。  だが戦闘に出ている『カードモンス』に貼られている『アクセルエナジー』の数だけ、デッキのドローとプレイ出来るカード枚数が加算されるルールがあるため、展開が高速化する。  通常のカードゲームは、コンボなどを利用してデッキから欲しいカードを多量に引いて使っていく手法が取られる。そうしなければ実際問題勝てないからである。  『カードマン』の場合、ルールからデッキの展開を高速化されるように作られていた。『アクセルエナジー』の数だけ、ドロー出来る枚数が増加するルールは、素人と玄人のアドバンテージの差を縮め、分かり易さも相俟って『カードマン』の世界的人気を確たるモノにした。  実際に観てみよう。  デュエルが始まった。     
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