1「カードマン公式大会決勝」

12/47
前へ
/261ページ
次へ
 この時点で既に駆け引きが始まっている。現在、戦場に出ている『カブトブレード』は筋肉属性の『パワーマッスル』が苦手である。だが稔久は、控えのカードモンスに魔法属性のアクセルエナジーを貼り付けた。魔法属性カードモンスは筋肉属性の攻撃を無効化する。従って対戦相手も、ルールを知っている観客も稔久が交代を考えていることが読める。ただし、魔法属性のカードモンスは昆虫属性の攻撃を苦手としている。従って相手の『ルカニダェードラゴン』を苦手にしている可能性が高い。しかし『ルカニダェードラゴン』は『カブトブレード』を苦手にしているとこう云う訳である。  即ち、未だ裏側表示のまま全容を明かしていない互いの3枚目の『カードモンス』が勝敗のカギを握っている。  メインフェイズが始まる。場に出ているアクセルエナジーの数は互いに3枚。従って4枚までカードを使用出来る。  先攻は稔久である。  『交代カード』が無ければ、戦場のカードモンスと控えのカードモンスを交換させることは出来ない。だが稔久の手札に『交代』は無かった。 (防御するしかない……)  稔久は、ロックエナジー2枚で使用出来る『ロックシールド』を戦場の『カブトブレード』に装備した。ロックシールドは岩石の盾、防御力が3000上昇する。これで『カブトブレード』の防御力は、元々の1500と『ロックアーマー』の1000を併せて5500まで伸びた。  立体映像のカブトブレードの左腕に岩石の盾が出現した。     
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加