ちっさい猫

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 雑談の流れで、こびとの話になった。 【ちっさいおっさん】はよく聞くけど、ちっさいお姉さんや赤ちゃんはいないのか。ちっさいおっさんの家は、ちっさい大工のおっさんが建てたのか。ちっさいおっさんが家で飼っているのは、やはりちっさい犬や猫なのか。ミジンコやゾウリムシを金魚感覚で飼っているんじゃないか。などと、くだらないことを言い合いゆるく笑っていた。  すると、【ちっさい猫】なら知っているという人がいた。 その人を仮に大塚さんと呼ぼう。  大塚さんの自宅のブロック塀には、いつもたくさんのカタツムリがへばりついている。一日中日陰でじめじめしているため、過ごしやすいのだろう。そこへ近くの小学生たちが集まってきて、カタツムリをいじって遊んでいる。何度となく挨拶を交わすうち、すっかり顔馴染みになったそうだ。  大塚さんは子どもたちによほど気に入られたらしく、あるときカタツムリの秘密をこっそりと明かされた。
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