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クリスマスデート
2018年12月
喧嘩したり別れたりを繰り返しながらも優菜と純一と付き合って2年3ヵ月が過ぎた。
優菜からすると純一の気持ちがすっかり冷めている様に感じていた。
付き合い始めの頃は事あるごとに
「優菜可愛い~」
と言ってくれていた純一だった。
「早く顔がみたい」とか
お互いに顔を近づけては
「顔が赤いよ」
と言い合っていたラブラブな時期に戻りたいと優菜はそればかり考えていた。
優菜は純一が抱き寄せてキスをしてくれるのが好きだった。
今ではそんな事をしてくれるのは送ってくれた帰り際くらいだった。
キスはいつも優菜からとなっていた。
そんな中、純一の提案で、渋谷のアップルストアでバッテリーを交換する事となった。
今年の春の優菜の誕生日前に純一から別れ話をされてから、付き合っているのか付き合っていないのかは曖昧にされ、連絡や会う回数などは何も付き合っているのと変わらなかったが、
優菜がひたすら純一に合わせて、
デートといえば純一がはまっているポケモンgoばかりだった。
純一は群馬、優菜は東京だったので、1週間か2週間おきに
優菜が群馬に行って純一の友人達とポケモンgoを楽しみ、純一の家に泊まりエッチをするというデートパターンが染み付いていた。
だから優菜は純一が「アップルストアの後に行きたい場所がある」と伝えて来たときも、ポケモン関連の場所だとあえて期待しない様にしていた。
2018年12月15日土曜日
朝から空気がひんやりとしていて、ついこの間までは比較的暖かかったが、やっと冬らしくなった、そんな日だった。
実家暮らしで小学校4年生の娘のいる優菜は両親と娘に引き止められない様に朝の8時過ぎに早めに家を出た。
夜勤で働いている純一は4時から6時の間に仕事が終わり寝ずにそのまま東京に向かう為、東京でのデートの時は待ち合わせ時間があってない様なもので、この日もちょうど同じくらいの時間に2人とも渋谷に到着した。
といっても30分程早く着いた優菜はスクランブル交差点の前のロクシタンカフェでダージリーティを飲みながら温まっていた。
優菜の大学時代にはアマンドというカフェが地下にあった。
当時半年程付き合っていた、当時流行りのmen'sエッグから飛び出てきた様な2歳年上のギャル男とのやり取りを思い出す事もなくなり、優菜は眼下に広がるスクランブル交差点で純一を見つけられるかなぁとぼんやりと考えていた
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