第1章 親友

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小学校の時からいつも遊んでいた諒太の家。 いつもと変わらない匂いに安心する 諒太の両親は共働きで この時間はいない…。 つ、つまりその 諒太とふ、ふたりっきり…。 やっぱり…まずいかな な、なに俺が意識してるんだよ もう諒太は前の親友に戻ったんだし。 諒太とのキスがパッと頭に浮かび 赤くなりそうな顔を必死でおさえた。 着替えた諒太が奥から出てきて 『座ってて、ちょっと飲み物取ってくる』 なんか諒太めっちゃ普通 あんなことがあったあとだし… 心配になったけど…良かった。 俺もいちいちあのキスを思い出すなよ… てゆうか…あの男…本当に誰なんだよ 『孝人、コーラとオレンジどっちがいい?』 『あ、コーラ』 缶コーラをぽんと手渡してくれた。 『…サンキュ』 『……さっきはありがとう』 『あぁ…ケガ無くて良かったよ。シャツは破れちゃったな…』 『もう一枚あるし、平気だよ』 『………………』 『……なぁ、諒太あいつだれ?』 『……気になる?』 『友だちじゃないだろ?あんな乱暴なやつ…』 『……元カレだよ』 思わず吹き出してしまった。 『ゴホッ……ゴホッ』 『ぅわっ汚いなぁ、ほら拭けよ』 笑いながら諒太がタオルを手渡してくれる。 『も、も、元カレって……付き合ってたのか?』 『……そうだよ。少しの期間だったけど』 『全然知らなかったんだけど』 『……言ってない。知ったら引かれると思ったし』 『…………そーかよ』 なんか……無性に腹が立った。 『何怒ってんだよ』 『べつに。俺には関係ないし』 諒太が突然立ち上がり 俺の目線に合わせて座り込む。 『……な、なんだよ』 むぎゅーっと両ほっぺを引っ張られた。 『痛ーっ!』 ほっぺを抑えられ……そのまま唇をふさがれた。 『…んっ、ッ』 諒太の肩を押そうとするけど 力が入らない…。 諒太から押されて唇をふさがれたままソファーに倒れこんだ。 2度目のキス。 何度も舌を入れられ…… 息が荒くなってく。 『……ッん、りょッ』 諒太の唇が俺の……首筋に降りてきた。 『ぁ……んッ…やめ…ろ』 俺の制服のシャツの中にはいつの間にか 諒太の熱い手が入っていて… 涙ににじんだ目をギュッと閉じる。 正直…怖かった。 諒太がふと手をとめ…目尻に軽くキスをされた 優しく…抱きしめられる。 『……ごめん孝人……俺、友だちに戻るなんて無理』
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