第10章 諒太の母

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………やっぱり無理だ。 別れるなんて……無理……… 俺は諒太の背中に腕を回した。 諒太の体温を感じて安心して……… 好きで……好きで溜まらなくなる。 『りょ、た………ごめ、……ッ……』 涙で最後まで言えずにうつむく。 ………それから俺は諒太に全てを話した。 自分の親にカミングアウトしたこと ………俺の父さんや母さんが……… 俺たちの未来を心配していること。 諒太は黙って俺の話を聞いてくれた……。 『……俺は諒太に幸せになってほしいんだ……だから……今のうちに、』 『今のうちに別れて……お互いにまた友だちに戻るって……言いたいの?』 諒太から強い視線で見つめられて 耐えきれずにうつ向く。 『俺は……はじめから全てを覚悟して孝人と恋愛するって決めたんだ。………俺の未来には孝人しかいない』 『でも………』 『あとは……俺がなんとかするから………待っててほしい』 諒太から真剣な眼差しで見つめられ 優しく抱きしめられる………。 『………さっきはごめん。つい頭がカッとなって………乱暴にして怖かったよな?』 そう言って……… 俺の秘部を優しくなぞった。 『ぅあッ…だ、大丈夫、だから……ッ』 不意打ちに触れられ……… 再び俺の身体が熱くなりそうなのを 必死に抑えた。
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