第1章 親友

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宿舎に到着してそれぞれ部屋に向かう。 えーと3012…ここか… ガチャリと部屋のドアを開けると… まだ誰も来てなかった。 2段ベッドが2台備えつけられている4人部屋。 俺は下の段の窓側のベッドに荷物を置く 再びガチャリとドアが開く。 あんまり話したことのないクラスメイト3人と一緒の部屋になった。なんかそれも新鮮で楽しい… 一人目はメガネの宮島、二人目はノッポの高木 三人目は物静かな古石。 みんな個性的…。 夕飯の時間になり、四人で食堂に向かう。 食堂は広々としていてテーブルにはもう夕飯が置かれていた。みんなグループごとに座る。 グループのメンバーと着席して…… ひとつ向こう側の離れた席に、楽しそうに笑う諒太と吉野が見えた…。諒太と吉野…同じグループだったんだ。 諒太と目が合いそうになって… 慌てて視線を反らす。 諒太が他の友だちと楽しそうに話す姿を見て またモヤモヤしてきた……。 前だったら…諒太の隣にいたのは俺だったのに。 モヤモヤからイライラになってきた……。 諒太の事を考えるとなんでこんなに苦しくなるんだろう…。 なんか…こうギューッと締め付けられる感じ……。 今はもう楽しそうな諒太と吉野を見たくない。 ……見れない。 俺は早々と夕飯を食べて 『悪い、先に戻ってる』 他のメンバーとわかれた。 足早に食堂を出る。 このあと8時から9時まで1時間の学習タイム。 8時まで……あと30分か 部屋に戻る気になれず 外の喫煙コーナーのベンチに座った。 今日の夜は星が出てない… 暗くて……今の自分のようだ。 諒太に告白されてから ずっとこんな気持ちのままで…… 早くスッキリしたいのに…。 どうしたらいいのかわからなかった。
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