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『あー……えっと…』
諒太が襟をゆっくり正した…。
『……昨日、会ってたよな』
『孝人……何で知ってるの?』
『……俺、昨日見かけたんだ。おまえがあの…元カレと一緒にいるとこ』
言いながら胸がギュッと痛くなる……。
『……あのマンションで何してたの?』
諒太が俺を真剣に見つめる。
『…孝人に隠し事はしたくないし、やましいことはないから…ちゃんと話すよ』
諒太は俺をやんわりとベッドに座らせて
俺の隣にゆっくりと座った。
『…アイツ、名前は白石ってゆうんだけど…
白石とは1年ぐらい前に出逢って…
付き合ったのは高校入って…ほんの1、2カ月ぐらい。
…自分の気持ちに気づいて……別れたんだ。
けど…なかなか別れた事に納得してくれなくて。
たまに連絡きてた。』
『……うん』
『……勇気を振り絞って…親友の孝人に気持ちを伝えたけど………避けられたり…やっぱり気持ちを伝えなきゃ良かったんじゃないかって…クヨクヨしてた時に、白石からメッセージ来てるのに気づいて……。で、俺から連絡してしまって……』
……さ、避けて…たわけじゃなかったんだけど…。
いや避けてたのかな…
諒太がクヨクヨしたって聞いてズキッとした。
『また白石が期待してしまったみたいで…そんなつもりじゃなかったんだけど……白石には悪かったって思ってる。で、昨日、白石の家できちんとお断りしてたら……ちょっと…その噛まれて』
『え…?!か、噛むって……噛まれたのか?!』
好きな人を噛むってどうゆうこと……
『……その…何てゆうか……俺が孝人に取られる前に噛んで跡つけとこう……的な?』
『ごめん。……全然わかんない』
俺に取られたくないから……噛むのか?
ちんぷんかんぷんな俺に
ちょっと笑いながら耳元でささやかれた。
『……こうゆう事だよ』
諒太が俺の肩を引き寄せて首筋をカリッと噛んだ
『ぅあッ………な、な、何するんだよ!』
諒太がちょっと意地悪く笑いながら
『……孝人にも俺と同じ跡…付いたよ?』
『っ!』
なーるほど。
………………じゃねぇし
白石のヤツ…諒太に跡付けやがって…
なんか……想像したらイライラするんですけど。
『…………孝人って…敏感だよな』
『……そっ…そうゆう事言うなよっ。急に噛んだりするからだろ…』
諒太がハイハイと余裕の笑みを浮かべる。
そのまま柔らかく抱きしめられた。
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