第4章 諒太の過去

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あれから諒太とは何度か一緒に勉強したけど 諒太に用事ができたり… 俺も…正直…… 諒太と二人だと勉強に集中できないような気がして 一人で過ごすのは寂しくもあるけど… 少し……ホッとしてるような…そんな感じだった。 期末テストが終わったら…… ちゃんと諒太と話してみようかな…。 いつまでも……微妙な関係は嫌だし。 今日の帰りも諒太と普通にわかれ…… 通学路を歩く。 帰りに近くの書店に立ち寄った。 漫画や参考書……いろいろな本に目移りする。 2年生になる前に進路も少しずつ決めておかないとなぁ……。 『……あれ?た、かとくん?』 『…?』 聞きなれない声に振り向くと…… 1番会いたくない……相手 ……白石が立っていた。 俺は驚いて声が出ない……。 でも明らかに俺の気持ちの イライラスイッチが発動した。 『……あれ?俺のこと覚えてないかな?ほら、カラオケで、』 『知ってるよ。白石くん、だろ?』 かなり冷めた言い方になってしまった。 白石の顔つきも冷めていく……。 『なんか……俺に怒ってるみたいだね』 『………。』 白石と……長く話すつもりはなかったし 一緒にいたくなかった。 冷めた顔つきの俺とは裏腹…… 白石はにこやかに話を続けた。 『…なんか俺のこと誤解してるみたいだけど、さ』 『……興味ないよ。もう…君と諒太は終わってるし』 白石が急に目を細めて 『…………あぁ、なるほどね』 クックッと笑い始める白石 頭がカーッとなった。 『何がおかしいんだよ』 『…ここじゃ、なんだからさ……ちょっと一緒に来て』 そう言って白石は俺の手首を掴み 書店から外へと引っ張って行く。 『ちょっ!白石っ…離せよ!』 俺を無視して白石はどんどん俺を引っ張って歩く。 路地裏に入っていき… 薄暗くなって…… 俺は……身の危険を感じ始めた……。 白石………何…考えてるんだ。 俺は頭の中で逃げ出す方法を真剣に考えていた。
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