第1章 親友

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下校時間になった。 なんか今日ずっとモヤモヤしてる 歌ってスッキリしたい…気分。 『あ、吉野』 靴を履きながら吉野が振り返った。 『え?』 『今からヒマだったりする?』 『え、まぁ…なんも予定ないよ』 『よし。カラオケ行かない?』 『カラオケ?いいけど…俺』 『?』 『カラオケ行ったことない』 ちょっぴり赤くなる吉野。 『……マジ?!』 『うん…』 『意外すぎるんだけど…』 『…機会がなかっただけだよ。部活してたし』 『ふーん…じゃ、今日はカラオケ初体験だな』 『…孝人、なんかやらしい』 『ばーか』 諒太以外の友だちと遊ぶなんて新鮮だった。 今日はいろいろ忘れて発散したい カラオケボックスの部屋につき 鞄も上着も置いておもいっきり歌う。 吉野、初めてにしては結構うまいじゃん。 二人でいろいろ歌いながら笑い転げた 楽しい… 諒太ともまたこんな関係に…戻るんだ。 一時間ほど経って 『ごめん、ちょっとトイレ行くわ』 俺は部屋を出て廊下に出る。 左に曲がろうとした時 『やめろよ…今そんな気になれないんだ』 ? なんか…言い争う声がする。 そっと覗くとそこには…… 諒太がいた。 あと知らない男…… 『何言ってんだよ。おまえが電話してきたんだろ』 『だから……そうゆうつもりじゃなかっ』 次の瞬間、諒太は男に腕を捕まれて… 近くの部屋に連れ込まれて扉がバタンと閉まった。 ……なにしてんだよっ! 俺は急いで部屋に入って 諒太の上に乗っていた男を引き剥がす。 『……孝人っ?!なんでここに』 諒太が驚く…… 起き上がった諒太を見ると、制服のシャツのボタンが弾けて…胸元が見えそうになっていた。 諒太が急いでシャツを引き寄せる。 俺はカッとなり、男を殴った。 『いってぇな!誰だよおまえ』 『おまえこそ誰なんだよ』 『孝人っ…も、いいから』 諒太が俺と男の間に入る… 『…は、ふーんおまえが孝人くんか』 男は少し微笑み近づいてきた…
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