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俺たちはクリスマスカラーになった街中を
ゆっくり歩いて雰囲気を楽しんだ
昔……サンタさんを信じていた頃が懐かしい。
しばらく街中でゆっくり過ごして
段々……夜のネオンが光る街中に変化して……
街中のイルミネーションが点灯して綺麗に光っている。
『孝人、観覧車乗らない?』
ショッピングモールの横に立つ大きな観覧車があって……クリスマスカラーのネオンに包まれていた。
なんか……観覧車に二人で乗るとか
めちゃめちゃ緊張するんだけど……。
顔がボンと赤くなったのが自分でもわかった。
諒太が耳元で……
『なんかいやらしい想像でも……しちゃった?』
意地悪く微笑む。
『してないよっ。小さい時に乗ったから……懐かしいって思っただけ。……は、早く乗ろうぜ』
諒太の手を握って前を歩いた。
……頭の中では今まで諒太からされた口づけを思い出してしまって…
諒太が言った通り……いやらしい事を想像していた。
静まれ……俺の頭……。
あ、そうだ諒太に買ったクリスマスプレゼント……渡せるチャンスかも。
俺たちは順番を待って、観覧車に乗り込んだ。
少しずつ少しずつ……高くなってきて街が小さく見えてくる……。
諒太は観覧車に乗ってから……なぜか急に無口になって……俺は沈黙にドキドキしてしまって
外を見ているふりをしていた。
『……孝人』
『え……?』
いつの間にか座席の下に座る諒太から、優しく腕を引っ張られて……諒太の膝の上にフワッと座った。
諒太から優しく後ろから抱きしめられて
身体がじんわりと熱くなる……
チャリンッと胸元が鳴って
驚いて胸元を見ると
俺の首にはシルバーのネックレスが掛かっていて
Rの小さな文字盤イニシャルが光っている。
諒太から耳元で
『クリスマスプレゼント……。俺は孝人のT、諒太は俺のR……お揃いだよ』
後ろを振り向くと諒太の首筋にキラリと光るネックレスが………。
『本当はさ……指輪が良かったんだけど。学校では付けられないし。どうしてもお揃いで身に付けるものが欲しくて』
ふんわり照れ笑いを浮かべて微笑む諒太。
俺は胸がいっぱいになって……なぜか涙があふれてきて……
『あ、ごめん。……なんか嬉しくて。最近……涙もろいな……俺』
恥ずかしくなって顔を隠した。
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