第9章 諒太の父

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諒太との1泊2日の旅も終え 俺は平凡な冬休みに戻った。 年末の大掃除を手伝ったり…… 課題をしたり……年賀状書いたり…… 以外と忙しくて 諒太とはmessageのやり取りだけで…… ……本当は毎日会いたくなるけどそうもいかないし。 それに諒太は毎年、New yearはアメリカで過ごしているから……会えるのは始業式かな。 諒太に会えなくて寂しいだなんて 去年は思ったこともなかった。 ……早く時間が過ぎるといいのに。 そして……今年もあと数時間で終わる大晦日の日 家族で思い思いに過ごす………。 父さんと母さんは久しぶりにお酒を解禁。 たぶん……二人で一緒に飲むのは毎年大晦日ぐらいなんじゃないかな。 ほろ酔い気分の二人と俺は炭酸ジュースで乾杯を交わし……。 俺はふと諒太から誘われた……アメリカの大学進学の話を思い出した。 父さんと母さん……どう思うだろう………。 諒太との関係も先に……言わなきゃ。 俺は………二人にカミングアウトする決意をした。 『孝人、そういえば進路希望はどうした?』 『………一応……理系希望で出したよ』 『そうか……行きたい大学もそろそろ決めないとだな』 『うん……。あの…さ、父さん。母さんも聞いてほしいんだけど……』 二人が俺を見つめる。 『……実はさ、その、俺……今付き合ってる人がいるんだ』 『そうなの?』 お母さんが驚いたような声をだす。 『どんな娘なの?』 『俺が……付き合ってるのは……お、女の子じゃないんだ』 『女の子じゃないって………』 父さんも驚いて思わず箸が止まる。 『俺、諒太と付き合ってるんだ。』
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