第10章 諒太の母

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ガチャリ…と諒太の部屋のドアを開ける。 ベッドの上に横になって…本を読んでいた諒太が驚いて、パッと顔をあげた。 パチっと目が合い…カァっと身体が熱くなる。 諒太が俺を見てふわっと微笑んだ。 『あ……諒太のおばさんと門のとこで会って……それで入れてくれたん』 最後まで言う前に……近づいてきた諒太から 腕を引き寄せられギュッと抱きしめられた。 『孝人……会いたかった』 俺は胸がいっぱいになって…… 思わず諒太の背中に腕を回そうとした……けど キュッと唇を噛み……諒太の肩を押し返した。 諒太の瞳が揺れる…。 『………たか、と?』 『諒太………別れよう』 俺はじんわり…自分の瞳が濡れそうになったけど……必死に抑えた。 諒太が俺の両腕を握り…動揺する。 『な、何言って……別れる………って』 『お、れさ………好きな人できた』 諒太が掴んだ俺の腕を振りほどきながら……俺は続けた。 『その子のことが、諒太よりも大事になったんだ……。やっぱり……男同士で付き合うより、ずっとしっくりくる感じでさ』 言い終わると同時に……… ガシッと俺の手首を諒太が掴んで…… 俺をベッドの上に……投げ飛ばした。 『ッ………痛っ』 投げ飛ばされた衝撃で……頭がクラクラする。 ギシッとベッドの上に諒太が乗ってきて 乱暴に唇を奪われる。 俺は必死に諒太の腕を振りほどこうともがいた。 『んんッ……んッ………ッやめ…』 諒太はベッドの隣の壁に掛かってある………制服のネクタイをサッと取り……俺の腕をベッドに拘束した。 ………怒っている雰囲気がビリっと俺にも伝わり 恐怖で自然と身体が震えてくる。 『りょ、』 『つまり……俺と付き合いながら、孝人は別に好きな女を作った……ってこと?』 諒太はクスッと笑ったが ……目は怒っていた。 俺の上服を乱暴にまくりあげ…… 胸の突起をギュっと握り潰す。 『ぁあッ…りょ、た、やめ…て』 涙ぐんだ瞳を諒太に向ける。
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