ドラマのような恋。

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退院前の診察。 これで入院生活からも解放される~! と嬉しい反面、 勝手に妄想を膨らませていた先生と会えなくなることに若干の寂しさも感じていた。 いつものように見てくれる。 『とっても綺麗に治ってますね』 「あ…どうも。ありがとうございます。」 ……… 勝手に別れの妄想モードに入っていた私は ちょっとそっけない態度だったかもしれない。 『大丈夫ですよ、綺麗です』 そのそっけない態度が、綺麗に治っているかを不安に感じていると思ったのか 先生は再び声をかけてくれた。 「あっ!!ほんと、綺麗に治って良かったです!」 自分がしていた勝手な妄想の気分で先生に気を使わせてはいけないと我に返っていつものテンションできちんと答えた。 『うん、綺麗ですよ。本当に綺麗です。』 「はい!」 『綺麗です。』 心なしかいつもの診察と雰囲気が違う口調の先生。 間近でそんなに[綺麗]を連発されると、言われなれてない言葉だからか、流石に恥ずかしくなった。 照れ隠しのつもりで、 「ちょっと先生~!そんなに綺麗、綺麗って連発したら勘違いしちゃうじゃないですか~笑!」 真面目な先生の事だから、 いえいえ…ほんとに鼻が綺麗になって良かったです。 と返してくれるだろうと思っていたのに 『…』 あれ…なにも言わない… やばい!冗談キツかったかな… 最後の最後にこんなことやらかしちゃって 絶対引かれた!!! ヤバイ患者だと思われちゃったかも… 焦る私。 しかしそんな私とは正反対に 先生はゆっくりと落ち着いた口調でこう言った。 『……いいですよ』 「へ??????」 焦っていた私は先生が何を言ったのか 全然理解出来ず、声も裏返って、なんとも間抜けな返事をしていた。 そしたら続けて先生が口を開いた。 『…勘違い………してくれてもいいです』
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