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私はその言葉を理解するのにとても時間がかかっていた。
鼻が治ったの綺麗って言ってくれて…
私かそっけない態度とっちゃったから
安心させるために何度も綺麗って言ってくれて、
でもそんなに何度も言ってたら私のこと綺麗って言われてるみたいに勘違いしちゃうよ…って……言ったんだよね?
その返事が、勘違いしてもいいですよ
ってことは、私のこと綺麗って言ったってこと…?
………!!!!!!!?
「………えっ!!!!!!?」
いつもは目が合うだけで恥ずかしいはずなのに
予想外の展開に頭が混乱していたからか
先生から目が離せなかった。
先生の細くて白い指が近づいて来て
頬を触った。
『もちろん鼻も綺麗に治りましたけど、△△さんのこと…綺麗だと思っているのも事実です。』
そう言った直後、
いつもの診察よりも顔が近づいてきたかと思ったら
「……!!」
先生の唇が私の唇と重なった。
「先生っ…!
ごめんなさい!!!
私、先生で勝手に良からぬ妄想膨らませてたんです…でも、現実にこう…なるとは思ってなくて…どうしたらいいのか……」
恋愛経験の少ない私は、
ドラマや漫画のように断片的で非現実的な恋愛しか妄想出来ずにいたため、どうしたらいいのかわからないでいた。
『……僕で勝手に妄想していたんですか?』
「…ごめんなさい……」
『…どんな妄想か知りませんけど、その良からぬ妄想を現実にしてみましょうか。』
優しくこう言った先生はそのまま私を抱き寄せ
病院の真っ白なシーツがひいてあるベッドにゆっくりと押し倒し、再びキスをした。
……
その後は妄想を遥かに超えたとても甘い現実に
私は酔いしれていた。
ふと先生を見ると
ニコッと微笑みこちらを見ていた。
その日はとても天気が良く
病室の窓から差す陽の光で色白な先生の肌と透き通るように綺麗な瞳。
とても眩しく輝いていて、先生はまるで白馬の…いや、白衣の王子様に見えた。
ドラマのように始まった恋。
これからどんな日々が続くのか…
また妄想してみるけれど、
私だけの白衣の王子様になった先生は病院での冷静で真面目な姿とは違って、とても情熱的で…
私の妄想を超える甘すぎる毎日だった。
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