第1章 不思議の森

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大きな木々を抜けた森の中に、その男の人はひっそりといました。 切り株の上に腰を下ろして、年老いた身体をいたわる様に木洩れ陽を見上げている姿は、とても印象的でした。 すると、その老人が私に気付いて、声をかけてきました。 「どうしたんだい?お嬢ちゃん、こんな所に一人かい?」 「うん。ちょっと、どうしたらいいか分からなくて…」私は何故か、見知らぬ人にもかかわらず、素直に応えていました。 私は寂しい時や嫌な事があると、いつもこの森を訪れます。 優しい陽射しに静かなこの場所は、私の心をいつも癒してくれる。そんな特別で秘密な場所なんです。
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