第2章 リンジーという女

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「お母さんは、そんな人じゃないよ。お父さんも知ってるはずでしょ?」 ジュディの言葉に、サムは泣き崩れながら「ああ、分かってる。済まない…でも…でもお父さんも寂しいんだよ」その口からは、嗚咽が漏れていた。 そしてジュディも悲しくなり、一緒に泣いた。 それが母親との別れのけじめだったのだろうか? そしてサムとリンジーは結婚した。 ジュディの義母となったのである。 サムはまだ三十八歳だ。十歳下の女性に心を奪われても、仕方のない事だろう。 それは母親がいなくなってから、もうすぐ二年になろうとしていた頃であった。 ところが、あんなに優しかったリンジーが、結婚した途端に、急に態度が変わったのだ。 何故だか分からない。 その変貌ぶりを始めて知ったのは、母親になって三日目の事だった。
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