冬の朝

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洗濯機を回している間に朝食を作る。いつもはマサくんのお弁当も作るけれど、今日は土曜日だから朝食だけ。 塩鮭の焼ける匂いに誘われたのかマサくんが起きて来て、キッチンに立つ私を見るとホッとしたように微笑んだ。 「良かった。サユさん、いた。」 「おはよう。いるに決まってるでしょ?」 「朝起きて隣にサユさんがいないとドキッとするんだ。僕に愛想尽かして出て行ったんじゃないか、そもそもサユさんと結婚出来るなんて夢だったんじゃないかって思って。」 マサくんは黙って立っていると容姿が整いすぎていて近寄りがたいぐらいなのに、私にだけはこんな風にはにかんだ表情を見せてくれる。 だから私も、これは全部夢なんじゃないかって思うことがある。 「夢みたいだけど夢じゃないよね?」 「来月の結婚式が待ち遠しいよ。……あーあ、プロポーズの時、どうしてサユさんの誕生日に結婚しようなんて言っちゃったのかな。クリスマスに結婚しようって言えば来週だったのに。」 そんなことをマサくんが本気でボヤくのも可愛くて、私はクスクス笑ってしまった。 「クリスマスだと予約がいっぱいで式場を抑えられなかったよ? きっと。私は自分の誕生日にマサくんと結ばれるのが嬉しい。私が生まれてきたのは、マサくんと一緒になるためだったみたいで。」 「もうとっくに結ばれてるだろ? 夕べだって」 「そういう意味じゃなく!」 照れた私の唇をマサくんが啄む。 マサくんのキスはチュッチュッじゃなくて、はむはむ。優しくて愛しい気持ちが伝わってくる。それでいてセクシー。 マサくんはいつからこんなワザを身に付けたんだっけ? そんなことをふと思いながら、私は彼のキスに夢中になっていった。
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