冬の朝

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リビングのテーブルで、マサくんは健診センターから郵送されてきた問診票に記入している。 その隣で同封のパンフレットを読んでいた私は驚きの声を上げた。 「昭和三十九年に設立だって!」 商店街の外れにひっそりと建っていた健診センターは、見るからに古くて小さかった。 そんなに古いところで大丈夫なんだろうか。医療設備は最新みたいだけど、建物の耐震補強とかは? 「それって、前の東京オリンピックの年だよね。すごいよな。新幹線も高速道路も。いろんなものが新しく作られたんだろうね。」 マサくんは変なところに感心して、耐震基準のことは気にならないらしい。 と、その時、テーブルの上のマサくんのスマホが耳障りなバイブ音を響かせた。 日曜日の夜十一時半。 こんな時間に電話なんて、何かあったんじゃないかと胸が騒いだ。 ついディスプレイを見てしまったのは、マサくんのご両親が病気で倒れたとか、事故に遭ったんじゃないかと心配になったから。 それなのに、画面に現れた名前は『岡崎華絵』だった。
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