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くねゆすりは、小豆洗いと仲間なのか、よく一緒に居ると言われていることもあるのだが、くねと小豆の関連の薄さから、一緒には居ないのではないだろうかと思っている。
「確かに、祟りだって、普通に生きていても使わない言葉だよな」
マスターは頷いている。
月藻典子は、うーんと唸っている。
「例えばさ、くねゆすりと小豆洗いが友達説が有るんだよ。そうなれば、神社にお供えされていた小豆大福をその男が食べた。だから、小豆洗いが怒って、くねゆすりと一緒に祟りに来たとかなら、辻褄は合いますけど」
無理矢理合わせただけの辻褄だ。
「小豆洗いなら俺も知ってるぜ」
この喫茶店の小豆アイスが美味しい事は僕も知っている。
マスターは女性だが、自分を俺と呼ぶ。
その辺りがまたカッコいいのだろう。僕も仮に女性ならば自分の事を僕と呼んでいたのだろう。
「小豆洗いは有名ですもんね」
「それなら私も知っていますよ」
月藻典子は小豆のアイスを食べている。何故か冬から売り出したと言う小豆アイスが喫茶フェンリルの現在のブームである。
給料が入ったら食べてみようと思いつつも、考える。
「小豆洗いも、一説によれば鼬の口を鳴らす音だとか、蛙が体を揺らす音だとかも言われていますね。そういう点でも、くねゆすりに近いものが有るのかも知れませんね。だから一緒に居ると言われているのだろうか」
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