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三吉鬼
「くねじゃ、くねゆすりが現れた」
麓町に住む男は神社を指さし、大きな声で叫んだのだと言う。声を聞きつけた町の者達は、直ぐに駆けつけたと報告があった。
くねゆすり。
「ホレ見てけろ」
男の指の先には、巨大な岩が転がっていたのだと聞いている。どれくらい巨大なのかと言えば、とっても大きい、らしい。
直接聞いた訳では無く、いまいち伝わらないが、軽トラより大きい岩らしい。その岩が神社の横に突如現れた事が始まりとなったらしい。
「この岩、もしかして」
集まって来た町の人間達もやはり驚いていたらしい。
「ああ、間違いねぇ。この間川をせき止めた大岩だぁ。くねのたたりじゃあ」
近くを流れる小川も岩でせき止められたらしいと、依頼主、月藻典子(つきものりこ)は言った。
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