牛乳

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祖母の遺骨をもって祖母の家を再び訪れた時、あの時飲んだ牛乳が、中学で給食に出た牛乳と同じメーカーで作られていたことを知った。 牛乳箱の側面に、メーカーの名前があった。 それからだ。 赤と青の丸模様の並びを考えるようになったのは。 スマホで調べれば、並びの答えを知ることが出来るが、私はそれをしない。 並びを考えている間は、あの牛乳瓶を思い出さなくて済むから。 けれども、赤と青の並びが、牛乳瓶にすり替わってしまう。 「飲むかい」 祖母が、牛乳瓶を差し出してくれることはもう二度とない。 それがただ、堪らなく悲しくて、苦しくて。 しばらく祖母の仏壇から動けなかった。
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