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第四人格 放棄者【Abandonment person】
このメールについて誰一人生徒は声をあげなかったが一人クラス担任の佐藤は笑いながら声をあげた。
「あははは!なんだこれ?よく出来てるな?けどあんまりこう言う冗談は良くないぞ?それと窓から外が見えないのはなんでなんだ?かなり凝ってるな~?」
しかし次の瞬間暗く何も見えなくなっていた窓から外の光が差し込む。外を見ると今まで窓から見えていた景色と少し変わっていた。
向かいにあった中学校は廃墟のようになっており、窓から街のビルや家々も都内とは思えない荒れ果てた荒野となっていた。
「なっなんだよこれ!!手が混み過ぎだろ?ドッキリなんだろ?カメラどこだよ?」
冗談だと思っているのか、事実だと知りながら現実逃避しようとしているのかわからないクラス担任の佐藤に俺は目を覚まさせる。
「おい佐藤!どう考えも冗談なわけねーだろ?こんな人間離れした技出来るやつなんているのかよ?」
「まぁひとつだけ言えるのはここはここは戦場α!俺たちの殺し合いの舞台だ」
それを聞いた朱凰は自ら答えを見出せなかったのか、担任の佐藤に答えを問う。
「佐藤先生!どうしますか?」
「知らん!私は帰るからな!解散!お前らなんかに付き合ってられるか!」
ガララーと扉を開き佐藤は教室の外に出た。それにつられたのか続々と声をあげる。
「おっ俺も帰ろ…」
「私も」
「待ってみんな!私の話を聞いて!!」
朱凰は佐藤に釣られて帰ろうとする生徒を止めようとするが誰一人聞く耳を持たない。
俺はいつものように全員に聞こえる声で全員が帰りたくなくなる言葉をかけた。
「なんだ全員帰るのか?街には他の試験隊がいるかもしれねーのに自殺でもしに行くのか?それとも奴隷になりに行くのか?お前らわかってんのか?ここの拠点とられたら奴隷だぞ?」
俺の言葉で全員が足を止めて動かなくなった
俺は朱凰に顎で使って命令した。
「朱凰!お前がリーダーになって役割分担を決めろ!」
「なんで私なの?」
「お前クラス委員だろーが?それに学年一の学力もあるんだろうが?」
朱凰は一旦下を向き、決心したような表現で顔をまたあげた。
「…そうね…わかったわ!みんな一旦座ってくれないかしら?この世界で生き残るために勝つための作戦会議を始めるわよ」
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