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いつから寝ていたのだろう。
ふと目が覚めると、目の前は真っ白だった。
その光景を不思議に思った俺は、身体を起こすと周りを見渡した。
周りには何一つ無く、真っ白で先の全く見えない世界が広がっていた。
これはいったいなんなんだ……?
寝ぼけているのかと思って、右腕で目をこすり、見直してみたが、その真っ白い光景に変わりはない。
地面も白く、でこぼこの全くない平地のようだ。
そうか、これは夢の中なのか。
俺はそう思うことで現状を受け入れようとした。
もちろん、こんな状況を簡単にすべて受け入れることなんて出来ない。
だから俺は、とりあえず適当に歩いてみる事にした。
360℃真っ白でどこに壁が有るのかも目視出来ない。
しばらく歩くと、薄茶色っぽい靄(もや)のようなものがいくつか出てきた。
その靄の様なものは、バスケットボールぐらいの大きさで、俺の胸ぐらいの高さにあった。
近づいてみると、わずかに絵か写真のような、そんな影がうっすらと浮かんでいた。
しかし、それが何なのかは全く判別出来ない。
他の靄も同じような状態だった。
靄の様なものをいくつか見ていくうちに、その靄が少し不規則ではあるが、道を示すように配置されていることに気が付いた。
この先に何かあるのか……?
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