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「しょうがねぇよなぁ」  もぐもぐと大きな口でハムカツを頬張る加納を見て、直人も味噌汁に手を伸ばす。 「早番何人入ってるんですか?」 「シフトじゃ四人なんだが、たぶんチーフと主任あたりも出てくるんじゃねぇ?」  それで六人か。まあなんとかなるんだろう。今までに似たような状況がまったくなかったというわけではない。  いずれもランチ前に瀕死の状態だった気がするが。 「んじゃ、お先」  加納がいつの間にか空になったトレイを持って立ち上がる。 直人たちは十分ほどで食事を終わらせないと後がゆっくりできないのだ。  直人も最後のサラダという名のキャベツの千切りを寄せ集め口に頬張ると、箸を置いて立ち上がった。 「お先します」  まだ座っている相澤をちらりと見て、声をかける。 案の定返事はないが、気にせずにトレイを専用の場所へ置き、食堂の隣にある男子用ロッカールームへ向かった。  歯磨きをして髪や制服を整えたり。移動時間も考えると、ゆっくりできるのは十分に満たない。ティータイムに客が少なければまた休憩がある。     
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