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そんな男が本当に申し訳なさそうに頭を下げるから、直人の方が決まり悪くて苦笑する。
「ほら、直樹。おまえがそんなところにいるとお兄さんの邪魔になる。こっちへおいで」
直人はその名前にはっとなった。
「やだぁ」
足元の子どもを見つめる。
四歳児と言われるとそうかもしれないと眉をひそめ考える。
「直樹」
男がぐずる子どもを少しだけ強い口調で名を読んだ。
でもまさか、という思いと、近所には違いないことから、やっぱりと思う。
だから、直人はそっと戸惑いながらその名を口にした。
「……直樹くん?」
子どもが驚いたように顔を上げ直人を見た。
そばにいた男も一瞬驚いた顔をするが、こちらはすぐに怪訝そうな表情に変わった。
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