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「いえ。いつも一人でコンビニ弁当なので、三人で食べれるっていうだけで十分御馳走です」
直嗣の気安い口調から、ついつい要らぬことまで言ってしまった直人は、「はは」と空笑いをした。
そんな直人にくすっと笑った直嗣と直樹の二人が道案内し、名前だけ知っているマンションに辿り着く。
しかしそこは、直人の住むマンションとは比べ物にならないほど豪華なものだった。エントランスを入るとコンシェルジュらしき男性がいる上、天井も高くシャンデリアが飾られている。
呆気にとられていた直人は、「こっち」と直樹が手を引くまで立ち止まっていた。
「どうぞ、こちらです」
直嗣がエレベーターの前から声をかける。
直人は恐縮して直樹に手を引かれるまま小走りした。
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