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直樹は好奇心が旺盛な子で、直人のことを何でも聞きたがった。 それにも丁寧にわかりやすい言葉で答えていく直人を、直樹はことさら気に入ったようだった。
「お待たせしました。じゃあ食べましょうか」
直嗣がエプロンを外し、まくったシャツを元に戻しながらテーブルにつく。
「直樹。おしゃべりはまた後だ。いただきますしよう」
「はーい。いただきます」
素直な直樹は小さな手を合わせると、すぐに直嗣がよそったおかずを美味しそうに口へ運ぶ。 その食べ方に食欲を刺激された直人は、自身も手を合わせて料理に口をつけた。
「……おいしいです!」
家庭的な肉じゃがにおひたし、ゴボウとにんじんに揚げを加えたきんぴら。それに野菜ときのこの入ったお味噌汁。 直人の普段の食生活に比べたら、贅沢この上なかった。
「それは良かった。たくさん食べてください」
直人も若者である。炊きたてのご飯をもりもり食べ、あっという間になくなってしまう。
「おにいちゃん、はやーい」
直樹のその言葉に直人はハタと気づく。 いつもの社食のつもりでかきこんでしまった。 直人は行儀の悪さを恥じるように頬を赤らめた。
「すみません。つい……いつものクセで。せっかくのご飯なのに」
「かまいませんよ。食欲旺盛で若いなあと感心してたところです。おかわりもあります。どうですか?」
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