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 直人はほっとしたように笑みを浮かべ、頷いた。 「やったぁ!」  直樹は飛び上がらんばかりに全身で喜びを表している。 その表情は、ことさら明るい。 「直樹。歯磨き早くいきなさい」  話は終わりだと直嗣は父親の顔になって、いつまでもにこにこと直人のことを見ている直樹をたしなめる。 「はあい!」  それにも楽しそうに返事をする直樹を見て、直嗣は苦笑した。  直樹が洗面所へ一人で向かったあと、直人は突然直嗣と二人きりになったことで少し緊張する。そして直樹の食器を片付けている直嗣におずおずと声をかけてしまう。 「あの、本当に良かったですか? 余計なことを言ってしまったんじゃ……」  すると直嗣は手を止め、首を横へ振った。 「いいえ。嬉しかったです。直樹のために早く帰ってはいますが、仕事を持ち帰ることも多くて……。あまり相手をしてやれないので」  小さな子を育てながら仕事をするというのは、大変なこともたくさんあるのだろう。 その手伝いができるのであればと直人は強く頷く。 「僕で役に立てるなら嬉しいです」  直嗣は微笑み、 「こちらこそ直人くんがそういってくれて嬉しいです」 と言ってくれた。 「パパ、しあげみがき、やって」     
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