猫の独り言

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猫の独り言

僕がここでお世話になってから多分、二回の暑い夏が過ぎた頃、新しい女の子が入ってきたんだ。ここは猫カフェと呼ばれてるとこらしい。 僕の他にも沢山の猫達がいて、とっても快適に過ごさせてもらってる。時々、凄く触ってくるお客さんが居なければだけどね。それには目をつぶろう。 みんなからいつも、てんちょーって呼ばれてる背の高いほっそりしてキラリと光るものを目の上にかけてる男の人。 その、てんちょーさんが女の子を僕達に紹介してくれた。てんちょーさんよりはかなり背は低くてふんわりした髪の毛は肩くらい。 ちょっと、小さな声で僕達を見てかわいいって呟いてから名前を教えてくれた。 「えっと、笹原 心音(ささはらことね)です。大学三年です。皆さんよろしくお願いします。」 そう言って恥ずかしそうに、笑った顔が可愛くて 僕は一目で好きになっちゃったんだ。 てんちょーさんがそれに笑いながら、心音ちゃんに話しかけてる。 「猫達に大学三年生はあんまり、関係ないかもね。分からないと思うし。まぁ、でもこれから頑張ってね。」 てんちょーさんといつものお姉さんが心音ちゃんに微笑んだ。 「何か細かい分からないことがあったら勿論、僕にも聞いてくれていいんだけど、とりあえず色々と教えてくれるのはこちらの、神崎 莉李亜さん。」 「はじめまして~此処でお世話になって最初からいるので、もう四年もたっちゃいました~。23歳です。店長がバリバリ、こき使ってくれるからこんな歳までなっちゃいましたよ。」
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