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「弟が、誰かと来る約束してたのにダメになったみたいで、今から合流するような連絡がさっき入ってきてたんだけど」
と言って、周りをキョロキョロし始めた。
「優也!こっち、こっち!」
彼女が呼ぶと、優也と呼ばれた弟が駆け寄ってきた。
「わぁ、やっぱ、女子率高いな」
彼女の弟だけあって、これまたスタイルが良くてハンサムだ。
「姉ちゃんも来てもらって良かったよ!」
一緒に並んでた子と喋ってたんだと言って、彼女は私を紹介してくれた。
「あっ、私は石田 由真です」
彼女は、五十嵐 優愛、彼は優也といった。
「みんな、イニシャルが『Y.I』だね~」
優愛ちゃんは、喋り続けてる。
私がデビュー作からのファンであることも。
「一番好きな作品は何?」
優也くんが、質問して来た。
「『万華鏡の恋』かな」と言うと、俺も!と嬉しそうに話す。
「あの、最後の最後までドキドキする展開ヤバイですよね。ずっと目が離せない、途中で本を閉じられない面白さですよね~」
優也くんは、SNSの男の子と同じ事を言った。
「あの、優也くんの也って、池野先生と同じ也ですか?」
彼は、そうだよ!
同じなんだと、また嬉しそうに答えた。
「あの、もしかしてナリさんですか?」
ナリは、会うことになってた彼のSNSのネームだ。
池野淳也先生と也が一緒で、それをハンドルネームにしてるって言っていた。
「うん??何?何で知ってるの?」
不思議そうに答える彼の耳元で、「たゆです。携帯壊しちゃって連絡できなくって。」そっと囁いた。
彼は、驚いて目をクリクリさせている。
イケメンが、クリクリさせてる姿は、可愛さの破壊力が半端ない!
「えー!!たゆさん!!」
何?なに?
2人でなに盛り上がってるのよ~と、優愛さんがちょっと口を尖らせている。
今度は彼が私の耳元で囁いた。
「もう会えないかと思ってました!会えてメッチャ嬉しいです。またメールしていいですか?」
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