警官志望

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案の定、消費者センターからの苦情はその後増大するばかりだったようで、いよいよ法律に抵触している疑義が問われだし、刑事事件にはならなかったものの、消費者側に訴えられ、裁判の結果、会社側は敗訴し、いつの間にかあの会社は消滅してしまった。 会社を辞める時、上司や社長と少し議論になった。 別に揉めたというほどでもなかったが、俺なりの正論に対し、相手は否定できない顔で沈黙した。 結局俺は、言うだけのことを言って会社を辞めた。 今でも、上司や社長には世話になったと思っているが、あの時芽生えた、自分の中の正義感ってやつにこだわって、その後、俺は警官になろうとしたのかもしれない。 思い上がりかもしれんが、そんな気がしてしょうがない。 会社を辞めてぶらぶらしていた時、たまたま警察官募集のポスターを見て、それまでモヤモヤしていた気持ちがすーっと落ち着いたのを思い出す。 自分の中のモヤモヤを解消するには、ここに行くしかないと思い、募集に応じたというのが正直なところだ。 これが28の時だ。 新卒で入ってくる年下ばかりの中で、20代後半の30近くなった自分が警察官になることに多少の抵抗はあったが、警官になってみると、意外と新卒ばかりでなく、俺のような転職組も多く存在した。 「お前転職組か?俺もそうだよ」 まず同じ交番勤務の先輩が、20代半ばに転職してきた口だった。     
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