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激痛が体中に差し込み、動けない。
男は荒い息を吐いて、正面の家へとダッシュしていこうとしていた。
あの家に入れてはならない。
俺は警棒を、奴の体目がけて投げつけたが、背中に当たって、少しのけぞったものの、すぐに男は立ち上がって、あの家の前にある簡単に開けることが出来る小さな門に、手をかけたのが見えた。
その時、閑静な住宅地に、一発の大きな銃声が響いた。
撃ったのは俺だ。
体中に衝撃が走った。
目の前の男は、足から血を流し、横転し、ひっくり返った状態で、バタバタしていた。
俺は血まみれの体を揺さぶるように動かして、何とか前進し、奴の手に握られたナイフを取り上げて、今日の日時と時刻を告げてから男を緊急逮捕した。
体中が激痛で痺れた。
遠のく意識の中、妻と娘の、あの優しい笑顔が見えた。
今日もまた会えた。
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