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同時に唱えると、魔法陣と札が光を放ち始め、南雲くんの体を包み込んだ。しばらくその様子を見ていると、セリーヌさんが声をかけた。
「成功したみたいね。もう少し経てば光が止んで、終わるわ」
「ありがとうございます。私、さっきは『あなたも化け物』とかひどいこと言ったのに……」
「それはお互い様よ。それに事実だもの。私は人間の皮をかぶった化け物よ。でも……」
「でも?」
「この化け物めいた不死身性を活かせる場所が私にはあるから。この力を疎んだり、恨んだりはしない。むしろ、これがあるから生き続けられるし、あなたや若月にも出会えた。不死身性さまさまよ。ところで……」
セリーヌさんはこっちに向き直すと、私の頭に手を乗せた。
「あなた、怪異管理局に入らない?」
「え?」
「マーメイドの化け物である私にも怯えず、最後には彼をしっかり守ろうとした。そんな姿勢に惚れたわ。もし局員になったら、その子の保護観察を任せてもらえるように私が掛け合ってあげるわ。一人が嫌っていうなら、南雲一斗を誘ってもいいわ。私のように討伐師として怪異退治に関われる。術なら私や若月が教えてあげる。どうかしら、ぜひ一緒に戦ってはもらえないかしら」
一緒に戦う? セリーヌさんのように武器を持って怪異を戦う――それを私が?
セリーヌさんは手をこちらに差し出す。
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