第14章 全てが終わる

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 怖いけど、怪異管理局に入れば、南雲くんの保護観察を任せてもらえる。南雲くんを襲う怪異がいたとしても、私が対処できる。セリーヌさんの言う通り南雲くんが暴走しても、私が何とかできる。それに南雲くんも堂々と怪異の力を活かせる。  ――南雲くんを守れる。 「嬉しい誘いです。ありがとうございます」  そう言いながら、セリーヌさんの手を取った。 「でも、お断りします」  そう言って、手を離した。 「私、学校に行かなきゃいけないんです。せっかく私を見てくれる人を見つけたんです。そういう人とやりたいことがたくさんあるんです。だから、お断りさせていただきます」 「そう……学校生活をエンジョイしなさい」 「はい」  セリーヌさんは私の髪の毛をぼさぼさにするまで撫で回した。泣いているようにも見えた。  そうか。これが終われば、彼女らとの縁も切れてしまうのか。私がさっきの誘いを断らなければ、そんなことなかったのだろうが、後悔はしない。この人たちとはこういう出会いだったのだ。 「ありがとう、陽菜」  セリーヌさんは優しくぎゅっと抱きしめた。暖かくて優しくて、心地よかった。 「ありがとうございました、セリーヌさん」  私は抱きしめ返す。  ふと横を見ると、光は止み始めた。もうすぐ終わる。  ――全てが終わる。
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