第15章 私たちのその後

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第15章 私たちのその後

 後日談ということで翌日の話をしようと思う。ドラゴン事件が解決して専門家たちと別れた私と、怪異から人間に戻った彼の話だ。  あの事件以来、私と彼の関係はあまり変わらなかった。次の日だったし、いきなり変わるなんてことはないだろう。それでも少しは変わった。具体的に言うなら、たまに話すクラスメイトからよく話すクラスメイトに。だからこの日、私は初めてクラスの子と雑談した。本当にどうでもいい会話だ。 「お前、犬派? 猫派?」 「カメ派」 「カメ派? なんだそりゃ」 「カメ飼ってるんだ。可愛くてしょうがないの」  こんな感じで。どうだろう。ちゃんと雑談できているだろうか。雑談なんだからちゃんとしなくていいのだろう。ちゃんとしてない会話だろうか。  楽しい。  初めてそう思えた。高校生らしい高校生活をエンジョイできている気がした。とりあえず、やりたいことの一つ目はクリアした。  雑談に夢中になっていると、あっという間に十分間の休みが終わってしまっていて、先生が来た。焦って号令をかけたのも初めてだった。  やっと友達を作れた。これが友達なんだ。     
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