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今度、どこか一緒に行きたいな。そうも思えた。オシャレなカフェとかショッピングとか遊園地とか、行ってみたい。もっといろんなことをしたい。
そんなことを考えていると、板書を書き忘れていた。
さて、そんな一日が終わった。ホームルームが終わって教室を出ようとしたとき、声を掛けられた。
「委員長」
南雲くんだった。
「何?」
「ちょっと来てほしいんだけど」
「うん、いいよ。どこ行けばいいの?」
「屋上」
どうも強張った顔をしていた。何か新しい事件でもあったのだろうか。まさか、またドラゴンになってしまうとか!
いろんなことを考えながら、南雲くんの背中を追った。
屋上は立ち入り禁止区域の一つだが、規制線の一本もない。鍵もかかってない。私の前を歩く南雲くんは扉を開けて、屋上に上がる。そういえば若月くんと会ったときもここに呼び出されたっけ。この前よりは暖かいけれど、やはり制服だけで来るところではない。
南雲くんは奥まで行くと、立ち止まった。
「どうしたの、南雲くん。おしゃべりなら教室に帰らない? 寒いし」
「え、あ……ごめん」
あれ。どうも元気がない。彼も寒いのかな。
「南雲くん……」
「あのさ!」
急に私と向かい合った。でも、目は合わない。次の言葉を待つ。
「……昨日の答えは?」
「答え?」
質問とかされてたっけ。
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